1979年9月30日(日)18時開演


★客席で見てるのは心臓に悪い、私が指揮をする・・・で初めてのフルオーケストラ公演、歌のお兄さんの河東燈士氏の演出も得て、たくさんの事を教わりました。                     <音楽文化の創造39(直美・記)>

★入場料値上げ
A券:1300円
B券:1000円
学生:700円

≪弘前オペラ30周年記念誌・2001/3/31発行≫より

 昭和54年、大学生活のオーケストラを終えて帰青した私は、自分の音楽活動もこれでおしまいと思っていました。ところが弘前でオペラをオケ伴で、しかも指揮は福永陽一郎先生で『椿姫』という東京でも滅多にないチャンスに巡り合うことになり、私の音楽人生は大転換。
 中学時代に二期会の『魔笛』(立川澄人、大橋国一)をテレビで見て以来、オペラにはずっと接してきましたが、弾くとなれば、聴く・観るとは大違い。これほど、楽しいものはない、オペラを再認識した次第です。それまで聴いてきたあらゆるジャンルの音楽、オーケストラ活動の経験すべてを、オペラに注ぎ込む価値はある、という信念で取り組んできました。今も、その考えは変わっていません。
 オペラによって音楽観が向上し、オーケストラ、室内楽に生かされ、またオペラに還元していく、という循環がオペラから、また弘前から離れられない原因でしょう。ヴェルディの品格、プッチーニの性格的な旋律、モーツァルトの神の化身のような天才、どれほど今の音楽活動に生かされたことか。特にモーツァルトの3大オペラの経験はその後のモーツァルト観が180度変わりました。一番好きな作曲家は?と聞かれたら、ためらうことなくモーツァルトです。
 弘前オペラとの出会いによって、ドイツに行き、オペラも見てきました。最初の『バタフライ』の年にフランクフルトで二回も『バタフライ』を見ることができたのは幸いでした。ちなみに『バタフライ』と『椿姫』は聴くだけでも涙を堪えることができなくなりました。これも弘前オペラの功罪のひとつです。

                                                                           弘前オペラ管弦楽団  野里 和廣 
    練習風景(第二大成小学校?)
≪弘前オペラ研究会20年の歩み・1991/1/14創刊≫より

椿姫に寄せて
 弘前オペラが、自分自身だけの努力で、もうすぐ10年になるはど持続して公演を実行してきたことは、ほとんど驚嘆に値する大事業です。その熱意のほどは、人力のかぎりに近いほど沸騰したもので、研究会の人々がかかえてきた困難の度合を考えると、とっくに挫折していても当然だったのに、意欲とつぎ込まれたエネルギーは、一度として後退した様子がなく、感動的でさえあります。
 昨年からお手伝いをしています。オペラの上演には、熱意だけではどうにもならない部分があり、知識夜景県が不可欠な事項について私がお役にたてそうだったからです。
 今年は、正式の編成のオーケストラがピットに入り、私が指揮することになりました。昨年の「トスカ」では演出面にも口を出しましたが、今回は経験豊富な河東君に手伝ってもらいました。「椿姫」は、戦争のあとで、日本で最初に行われたオペラ公演の演目です。今日の欧米にひけをとらない東京のオペラの出発点は、30年以上も前の「椿姫」でした。今度の「椿姫」が、弘前オペラ研究会にとっても新しい第一歩になることを切願してます。
 「椿姫」は、私がいままでにいちばん多く指揮したオペラのひとつです。楽しんで練習を重ねてきました。いい公演になると信じて、オーケストラピットに入ることにします。
                           指揮者     福永 陽一郎 

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<第9回公演プログラム> ★全ページ掲載、スタッフ・広告掲載の皆さまありがとうございました